1.事業を動かす5つのチェーン

事業は、単独の部門ではなく、価値が生まれて顧客に届くまでの一連のプロセス(機能)で成り立っています。
その流れを理解するために、企業活動を5つのチェーンに整理して可視化します。

1)デマンドチェーン

顧客との接点を担い、需要をつくり、需要をつかむ役割。
主なプロセスは

  • マーケティング:市場理解、顧客理解、価値提案の設計
  • 営業・販売:顧客との対話、価値の伝達、契約・受注

デマンドチェーンの主な役割

  • 顧客の課題・ニーズを把握
  • 提供価値を市場に届け、需要を創出
  • 企業活動全体の“起点”となる情報を生み出す

2)エンジニアリングチェーン

デマンドチェーンで得た顧客価値を、実際の製品・サービスとして形にする役割。
主なプロセスは

  • 製品開発
  • 工程設計・開発
  • 研究開発(R&D)

エンジニアリングチェーンの主な役割

  • 顧客価値を実現する技術・仕様を設計
  • 生産可能性・品質・コストを踏まえた開発
  • 価値創造の“源泉”をつくる

3)サプライチェーン

エンジニアリングチェーンで設計された価値を、安定的に供給する役割。
主なプロセスは

  • 調達
  • 生産
  • 品質管理
  • 物流

サプライチェーンの主な役割

  • 必要な資材・部品を確保
  • 安定した生産と品質の維持
  • 顧客に届くまでの供給プロセスを最適化

4)サービスチェーン

製品・サービスが顧客に届いた後、価値を最大化し、継続利用を支える役割。
主なプロセス

  • 据え付け・導入支援
  • アフターサービス
  • 保守・点検
  • 付帯サービス

サービスチェーンの主な役割

  • 顧客の利用環境で価値を発揮させる
  • トラブル対応や改善提案
  • 顧客満足と継続的な関係構築

5)サポートチェーン

全社の基盤として、各チェーンが機能するための環境を整える役割。
主なプロセス

  • 経営企画
  • 品質保証
  • 会計・財務
  • 人事・総務
  • 情報システム
  • 広報

サポートチェーンの主な役割

  • 経営基盤の整備と運営
  • 組織・人材・仕組みの強化
  • 全チェーンの活動を支える“縁の下の力持ち”

まとめ

サポートチェーン=全社を支える基盤機能

デマンドチェーン=需要をつくり、顧客とつながる起点

エンジニアリングチェーン=価値を設計し、形にする源泉

サプライチェーン=価値を安定的に供給する仕組み

サービスチェーン=顧客の現場で価値を最大化する

プロセス間やプロセスチェーン同士を活性化させ成長させるのも「コミュニケーション」の役目です。互いに影響を及ぼしながら改善され、まるで生き物のように変化します。停滞も成長もします。

以下の図は製造業のモデル例です。自社のプロセスも可視化してみてください。「強み」と「課題」が見えてくるはずです。